2024.12.06
AI/データサイエンスやMBD・シミュレーション技術を中心に「製造業におけるDXソリューション企業」を目指す株式会社テクノプロ テクノプロ・デザイン社(本社:東京都港区、代表取締役社長:嶋岡 学、以下「当社」)は、東京理科大学(工学部 情報工学科 立川研究室)と共同研究契約を締結しましたので、お知らせいたします。
1. 共同研究の背景
製造業の工場・生産現場における設備の制御や情報収集等については、DX化・デジタルツインの教育ソリューションが少なく、新人教育・人材育成に苦慮しているとの声が企業から多く聞かれます。その課題の解決に向けて、東京理科大学が提唱する「IT/OT※融合教育モデル」と、当社が進めている産業メタバース・知識処理関連の研究を連結し、バーチャル空間へ取り込んだフィジカルデータを基に、バーチャル側で生産設備のティーチングや知識処理(生産状態や設備異常等の傾向分析・故障解析・予兆診断)で最適化し、フィジカル環境に設定値、生産レシピ、作業ノウハウ等をフィードバックするモデルを共同研究する運びとなりました。
東京理科大学 工学部 情報工学科 立川 智章教授・研究推進機構 総合研究院の松尾 裕一教授が提唱する「IT/OT融合教育モデル」は、実際に稼働している機械や設備を使用せずとも生産現場の簡易模型、PLCやITシステムを仮想空間で模擬するモデルであり、その枠組みを通じて人材育成を図ることを目指しています。
共同研究において、当社に所属するモビリティ分野のエンジニアが参画し、産業メタバースや3Dシミュレーションを活用したバーチャル環境構築を行います。さらに、フィジカル環境とバーチャル環境を繋ぐ統合環境での知識処理に対するデータサイエンス、MBD・MBSE、AI応用等の活用を進めます。当社は、これらの取組みにより、生産・製造分野で基礎となるデジタルツインの統合的仕組みを構築し、人材育成に寄与する育成モデル・教育メニューに繋げていきたいと考えています。
※「IT(Information Technology:情報技術)」と「OT(Operation Technology:運用技術)」
2. 共同研究テーマ
『デジタルツイン人材育成のための教育教材と教育方法に関する研究』
- デジタルツイン人材育成のための教育教材の研究
- デジタルツイン教育教材を用いた教育方法の研究
- 大学教育や社内教育への適用による検証と継続的改善
関係者集合写真 (前列左から:当社 地川、東京理科大学 松尾教授、立川教授、青木助教、当社 地引 、後列左から:当社 小久保、伯田、高瀬)
3. 研究の目的
物理空間とデジタル空間を連携させることで社会課題の解決を狙うデジタルツイン技術が注目される中、技術実装には広範な知識が要求されるだけでなく、実働のロボットや設備を使うには危険やコストを伴います。そこで,この共同研究では、デジタルツイン人材の教育に適した教育教材の検討及びそれを使った教育方法に関する研究開発を進めることで、デジタルツイン人材育成の確実化と社会のデジタルトランスフォーメーションの進展に資することを目指します。
4. 研究概要
デジタルツインの教育に適した工場模型とPLC等の工場設備を使った教育教材の検討及びそれを使った教育方法に関する研究開発を進めます。また、大学教育や社内教育に適用することで有効性を検証しつつ問題点を研究開発にフィードバックさせることで継続的改善を行います。
【立川研究室について】
立川研究室の特徴は一言で表すと「計算科学」です。「計算科学」は「第3の科学」とも呼ばれ、当初は数値シミュレーションが主な手段でしたが、生み出す大規模データからさまざまな情報を取得する設計最適化やデータサイエンス技術もその対象となっています。
現在の大きな研究テーマは「デジタルツイン」です。2020年に立ち上げたデジタルツインラボラトリの研究を継続して行っており、研究推進機構 総合研究院の松尾教授ととともに研究室運営を進めています。将来、デジタルツイン技術が普及して究極に情報が活用された社会においてキーとなる要素技術とシステムの研究を実施しています。ここでは特に「ものづくり」にフォーカスしたデジタルツインに取り組んでいますが、交通インフラなど他のシステムに応用できる可能性も探っています。
[主な研究テーマ]
■デジタルツイン | 高精度3次元計測、リアルタイムセンシング、高忠実度シミュレーション、産業ビッグデータ解析、それらを統合するシステムやプラットフォームの研究 |
■大規模流体解析 | 産業界での流体力学課題の解決、プラズマアクチュエータ活用の大規模な流れ制御の研究 |
■多目的設計探査 | 多目的最適化問題を解決する技術、設計に有用な情報を抽出するデータマイニングの研究 |
■次世代交通システム | 航空交通システム主体の運行システム策定モデルとシミュレーション手法の開発、それを利用して社会の構成要素が互いに影響し合う効果を分析・予測する技術の研究 |
[ウェブサイト]https://ftlab.it.tus.ac.jp/top/doku.php?id=start
【テクノプロ・デザイン社について】
テクノプロ・グループは、日本および中国、東南アジア、インド、英国などの拠点に28,621人(国内26,054人、海外2,567人、2024年6月時点)の技術者・研究者を擁する日本最大規模の技術系人材サービスグループです。機械、電気・電子、情報システム、組込制御、化学、医薬、建築、土木など産業界が必要とするすべての技術領域をカバーする専門領域の広さと高度な技術力が評価され、国内外で常時約2,500以上の企業・研究機関・公共団体・大学に対し、技術を軸とした各種サービスをご提供しています。
テクノプロ・グループの中核会社である株式会社テクノプロの中でも最大の社内カンパニーであるテクノプロ・デザイン社は、 2024年6月末現在、機械、電気・電子、組込制御などの技術分野を中心に8,059人の正社員技術者を擁し、33カ所の拠点と11カ所の開発センターを通じて大手メーカーを中心に製造業、情報産業など約800社のお客さまの研究開発・設計開発の現場で技術サービスを提供しています。
[当社ウェブサイト] https://www.technopro.com/design/
[シミュレーション開発サービスサイト] https://www.technopro-simulation.com/
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社テクノプロ テクノプロ・デザイン社 技術戦略本部 COE室 Email: coe-design@technopro.com |