2022年6月11日(土)、内定者向けの研修の一環として弊社代表の嶋岡と東京大学名誉教授でモノづくり業界の権威である藤本教授との対談が実現。
対談に先立ち、実施をした嶋岡/藤本教授の基調講演をレポートとしてまとめました。
嶋岡 学
テクノプロ・ホールディングス株式会社 代表取締役副社長兼COO
株式会社テクノプロ 代表取締役社長
テクノプロ・デザイン社 社長
株式会社テクノプロ・コンストラクション 取締役
地球環境・自然環境を保全しつつ、私たちの世代、そして次の世代が困窮することのない社会を創ること、すなわち「持続可能な社会 」を創っていくことが、喫緊の課題となっている。他方で、環境悪化に伴う温暖化や水不足、世界的な人口増加・貧困・格差の問題、日本においては少子化・人口減など、政治・経済・社会・技術の各方面で課題が山積し、「持続可能な社会」とは真逆の状況を呈している。 「そのような時代にあって、お客様が抱える課題は今まで以上に難易度が上がってきており、国や業種、分野、企業などの垣根を超えたテクノロジーによる課題解決が不可欠となっています」と嶋岡社長は語る。テクノプロ・デザイン社の「パーパス」は、まさにそのような思いが結実したものだ。
地球温暖化などの社会問題が深刻化して持続可能な社会が強く求められる時代になり、 お客さまが抱えていた解決すべき課題は今まで以上に難易度が上がり、国・業種・分野・企業などの垣根を超えたテクノロジーによる課題解決が必要不可欠である。
「技術」と「人」のチカラで
お客様と価値を共創し、
持続可能な社会の実現に貢献する。
例えば、二酸化炭素を排出しないモビリティを開発すること、エネルギー消費量を削減する設備、工場マネジメントシステムの開発や発展途上国で雇用創出に資するソフトウェア開発のプロセス構築、農業や漁業に新しいICTソリューションを提供することなど、テクノプロ・デザイン社のエンジニアが、持続可能な社会の実現に貢献できる仕事はたくさんある。
嶋岡社長は続ける。「テクノプロ・デザイン社のエンジニア一人ひとりが、自分の仕事は持続可能性に資するものであるのか、ということを自分自身に継続的に問うことが大切です。そして、お客様が抱えている課題に対して、我々が持っている技術でしっかりと価値を提供することで、お客様を通じて持続可能な社会に貢献をする、つまりお客様と価値を『共創』していくことが重要となるのです」
さらにミクロな経営環境に目を転じると、近年ではコロナ禍により景気の一時的な悪化がみられた一方、産業界ではデジタル化の必要性が急速に高まっている。嶋岡社長は、こうした様々な動向の中でも、テクノプロ・デザイン社にとって特に影響が大きい環境要因を次のように指摘している。
「まず、採用の難易度が増しています。背景には少子高齢化による労働人口の減少、大学卒業者の減少があり、特にエンジニアの採用が難しくなっています。また働き方の多様化など、働く人のニーズも変わってきています」
「この課題に対応するため当社では、“人が集まる魅力のある仕事を提供する”、“働く人の多様なニーズに応える事業モデルを確立する”、“そして当社のセンターピンである教育に注力する“、といった施策を通して、社員がより成長できる、よりワクワクできる環境を用意していきたいと考えています」
そして2つ目が、デジタル技術・DXへのニーズの高まりだ。
「このニーズに対応するためには、上流工程から下流工程まで、お客様のバリューチェーン全体を俯瞰(ふかん)して考えなければなりません。エンジニアから営業メンバーまで、全員が課題発見・提案のソリューション思考を持つことが必要となってきます」
テクノプロ・デザイン社はすでに、プロダクトの知見を持つ7,000名のエンジニア、10年間かけて養ってきた戦略分野、700社以上のクライアントというケイパビリティを有しているが、こうしたケイパビリティも現下の課題に対応すべく、進化を遂げていかねばならないのである。
2021年に定められた新・中期経営計画には、こうした環境変化やパーパス、経営課題を踏まえて、持続可能な社会を実現していくための方策が定められている。中経のビジョンは、「人と仕事が集まるソリューション企業へ」である。
「エンジニアが当社で働くことに魅力を感じること、そしてそういうエンジニアが多く集まることで、お客様から選んでいただけるということが、このビジョンの考え方になります」と嶋岡社長は述べている。
コンサルティング事業やソフトウェアニーズといった課題解決型の事業で、現在の97億円から、2026年には253億円まで売上を拡大していく計画だ。
この新・中期経営計画を達成するため、「技術戦略マップ2021」で定められた技術およびソフトウェアスキルをターゲットに、次の3つの戦略、すなわち(1)社員の進化、(2)ソリューション事業化、(3)共創の進化、が定められた。
「技術戦略マップ2021」とは、様々なデータや文献を基に、次の5年間、テクノプロ・デザイン社としてエンジニアに保有を推奨する技術分野をマッピングしたもので、将来に向けた重要な羅針盤となるものである。嶋岡社長は、「ここで定められた分野に精通したエンジニアは、自分自身も持続可能なエンジニアになれることでしょう。この外側にあるテクノロジーに重点的かつ圧倒的な投資を進めていきますので、ぜひ学びを進めてもらいたいと思います」と語っている。
「技術戦略マップ2021」で定められた技術領域に加えて、これからのエンジニアにとってソフトウェアスキルがプラスワンで重要になってくると嶋岡社長は言う。「ハードウェアを専攻された方は少し驚かれるかもしれませんが、これも我々テクノプロ・デザイン社の土壌です。AIやソフトウェアなどが実装されたハードウェアが駆動するようになってきています。もちろんハードウェアの仕事がなくなることはないと考えていますが、より強固な人材になるためにも、ハイブリッドなキャリアを目指していただきたいと思います」
3つの戦略について、嶋岡社長は次のように説明している。
嶋岡社長は、今後活躍できるエンジニア像について、次のように述べている。
「IT業界に携わっていないエンジニアは、今持っている知識や技術にプラスしてソフトウェア技術を身につけること。ソフトウェアに携わっているエンジニアは今の知識や技術にプラスして業界知識やビジネスモデル自体を理解すること。そして全員に共通することとして、相手を知り、学び、コミュニケーションがとれること、これが社会的に求められ、活躍できるエンジニア像であると考えています」
そして、活躍できるエンジニアに近づくためのコツは、『意識』『気づき』『知識』にあるのだという。
「『意識』したモノは『意識』していないモノより『気づく(集まる)』、それが『知識』になり自分自身のモノになるのです。逆に言えば、『意識』の低い人は、目の前の情報に『気づかない』。それが長い年月を経ると、大きな『知識』の差を生み出すことになります」
手始めに、一人ひとりが何に高い『意識』を持つのかを決めてほしいと嶋岡社長は言う。設定した『意識』に対して、たくさんの情報や経験が集まってくる。集まってきた情報を確実に『知識』に変えて、自分の強み・武器として行動に移していくことが、活躍できるエンジニアになるための第一歩なのである。
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