エンジニアリング
業種
今回は、竣工から30年以上が経つ公共施設の設備更新工事にあたり、施工計画、施工検討を行うための機械室全体(建築躯体、空調機・空調配管・鉄骨架台)の測定とBIMモデル・図面作成を行った事例を紹介します。クライアントは空調システムの設計、施工、保守、運用を行う大手設備工事企業A社です。
A社が設備更新工事にあたって発注元から提供された図面はPDFファイルのみであり、現況と相違している可能性があるという課題を抱えていました。図面と実際の状況に相違があれば設備の搬入や作業に支障をきたし、工事計画の遅延や無駄なコストが発生するリスクがあります。しかし、人手による計測では多大なコストと時間がかかります。そこでA社は、テクノプロ・グループで建築・土木・電気設備の施工管理やプラントエンジニアリングを事業とするテクノプロ・コンストラクション社に、3Dレーザースキャナによる計測から図面作成まで一連の作業について相談しました。
A社がテクノプロ・コンストラクション社の3Dレーザースキャナ測量サービス(BIM・BIM/CIM活用支援)を採用することとなった決め手は、地上型3Dレーザースキャナ(TLS:Terrestrial Laser Scanner)の設備・技術を保有していること、他現場で実績があったことに加え、3D計測やBIM・BIM/CIMの専門知識を持つ技術者、設備・電気 / 土木 / プラントなど各種領域のエンジニア、そして一級建築士事務所などを抱え、現場調査から点群データ生成、BIMモデル化、2D図面抽出まで一気通貫して行える点でした。また、当社が請け負った業務に対して技術者を派遣し対応・報告を行う支援プランを選べる点も、一つのプロジェクトでスポット的に支援を受けたいA社の希望と合致しました。
(②③④は、当社本社オフィスをモデルケースとして、計測から2D図面抽出まで行った実際の画像です。)
3Dレーザースキャナ測量サービス(BIM・BIM/CIM活用支援)の導入により得られた効果が、高品質な点群データ計測、3Dモデル構築による「納期短縮・低コスト化」です。
計測、設備それぞれの知見を持つ技術者により現場調査を早期に完了させ、3Dレーザースキャナ『FARO Focus Premium』を用いて機械室全体を測量。点群処理ソフト『Infipoints』のAIによる機械設備・配管の自動抽出機能なども活用しつつ、精度の高い点群データを作成しました。そして、空調衛生設備や電気設備の作図に特化したCAD『Tfas(CADWe’ll Tfas)』にインポートすることで機械室全体をBIMモデル化し、実際の工事に用いる2D図面抽出まで一気通貫で行っています。
今回のBIMモデル構築により、架台の高さやグレーチング位置などでPDFと現況に違いがあることが判明し、懸念されていた図面と設備の不一致を未然に防ぐことができました。さらに、建築躯体(骨組みのこと)と鉄骨架台をBIM化することで、空調機や配管の撤去・搬入・施工のシミュレーションの可能性が広がった点もメリットの一つです。
データ納品まで2カ月という短時間で作業を進められたのは、最新テクノロジーの導入と多様な技術者がプロジェクトを一貫して進められるテクノプロ・コンストラクション社の提供サービスだからこそです。従来の手作業であれば2~3日はかかる計測が、3Dレーザースキャナにより2時間ほどで済んだことにより、大幅な納期短縮を達成することができました。
今回のプロジェクトで好評を得たことにより、A社からは同様の案件の追加発注がありました。その背景には、同じ作業を人力で行った場合の人件費・測量会社への依頼コストのカットに成功した点や3Dレーザースキャナの有効性が証明されたこと、納品データの品質や短納期でのスピーディな対応が評価されたことが挙げられます。
テクノプロ・コンストラクション社の3Dレーザースキャナ測量サービス(BIM・BIM/CIM活用支援)では、経験豊富な技術者が現場調査やヒアリングをもとにBIM・BIM/CIMデータを作成し、設計変更等に伴う詳細の検討、過去の経験を活かした施工提案などあらゆる面でサポートします。建築DXやi-Constructionが推進されている今、ぜひ活用をご検討ください。
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