株式会社テクノプロ

事例

WORK

マニュファクチュアリング・その他製造 DX

ADAS開発支援プロジェクト

株式会社デンソー 様

はじめに

ADAS (Advanced Driver Assistance System:先進運転支援システム) 開発プロジェクトについてご紹介します。

プロジェクト概要

テクノプロ・デザイン社は、先進的かつ実践的な技術力を強みとするだけに、社会を変革する先進プロジェクトに関わる機会も少なくない。今回、紹介するADAS (Advanced Driver Assistance System:先進運転支援システム) 開発プロジェクトは、その代表格と言える。6名からなるプロジェクトのリーダーを務めたDXソリューション統括部の丁と、デンソー様のご担当者、AD&ADAS技術1部の中野俊亮氏から、プロジェクトの意義や、困難を乗り越えた秘訣について伺った。

ADAS(先進運転支援システム)開発支援_事例01
株式会社デンソー AD&ADAS技術1部 第6技術室 基盤技術1課 / 中野俊亮様

高齢化社会における安全・安心な交通手段の実現など社会課題の解決に寄与するADASプロジェクトに参画

「デンソー様がADAS開発を支援するデータサイエンティストを求めている」との打診を受けたとき、丁は「これこそ待ち望んでいた仕事」と感じたという。そもそも丁がエンジニアを目指したのは、自らの技術で社会課題の解決に貢献したいとの想いから。テクノプロ・デザイン社への入社を決めたのも、その目標を実現できる舞台だと考えたからだ。

ADASとは、自動ブレーキや急発進防止など自動車の安全走行を支える機能や装置の総称であり、より安全で快適なクルマ社会を実現するためのカギとなる技術として、世界規模で開発競争が進んでいる。特に日本では、高齢化の進展や地域公共交通の衰退などを背景に、「誰もが安全・安心に運転できる自動車」の実現が重要な社会課題となっている。デンソー様は自動車部品の分野で日本を代表する企業であり、自動車メーカーとともにADAS開発を牽引する存在。同社のプロジェクトに加わるということは、まさに日本社会の課題解決に直接関われる機会といえた。「これまで培ってきたAIや画像解析の技術、そして課題解決のノウハウを発揮すれば、デンソー様のADAS開発にも貢献できるはず」。そう自負する丁は「ぜひ、自分にやらせてください」と手を挙げた。

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データサイエンス領域で即戦力となる経験豊富なエンジニア陣がチーム体制による効率的で信頼性の高い支援を提供

「開発パートナーとしてテクノプロ・デザイン社を選んだ理由は大きく2つ。1つはデータサイエンス領域での確かな技術力、もう1つはチーム体制で支援いただけることでした」と中野氏は振り返る。

その背景にはADASを取り巻く技術課題があった。ADASを構成する技術は多岐にわたるが、特に近年、期待されているのがAIを駆使した画像解析だ。車載カメラが撮影した画像から、信号や標識、周囲の車両や歩行者、障害物などを検知し、自車との距離や走行状況などのデータとともに分析することで、起こり得る危険を事前に察知し、安全でスムーズな運行を可能にするものだ。

「その実用化には、画像処理やデータ解析、機械学習など、高度で幅広い技術力が求められますが、自社で育成するには時間がかかるため、外部パートナーに頼ることになります。とはいえ、即戦力となるエンジニアを、こちらが必要とするだけ提供いただける企業となると、選択肢は限られます。その点、テクノプロ・デザイン社は、データ分析の先進企業との協業をはじめ、技術力に確かな裏付けがあり、加えてチームで対応いただけるため、大きな戦力になると期待したのです」と中野氏は語る。エンジニアを個々に派遣するのではなく、チームリーダーの指揮のもとに各エンジニアが連携することで、より効率的で信頼性の高い対応が可能になる。ADASのような大規模・複雑なプロジェクトには最適な支援体制といえた。

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幅広い領域で確かな成果をもたらすことでともに価値を創造する開発パートナーとしての信頼感を培う

それから約1年を経て、丁率いるテクノプロ・デザイン社のエンジニア陣は、ADASプロジェクトに欠かせない存在となっていた。「車載カメラの画像から周辺の車両や歩行者、標識などを検出する物体検出、信号の色や標識の内容などを識別するクラス分類など、画像解析用のディープラーニングを中心に、幅広い業務を担っていただきましたが、いずれも確かな成果が出ており、“何でも任せられる”と感じています」と中野氏は語る。

「加えて、こちらの指示や要求に問題があれば、しっかりと指摘し、より良いやり方を提案してもらえます。例えば、画像内の解析対象にタグ付けするアノテーションツールの開発に際しては、境界が曖昧だったため、まずルール作りからやり直すよう提案されました。一見、遠回りに見えましたが、結果的に、より高精度なツールを効率的に開発できました」。

「当社が求めているのは、委託先と委託元という契約上の関係を超え、対等な立場で、ともに価値を創造するパートナー。こちらの指示に問題があれば、遠慮なく異を唱えてくれる彼らこそ、理想のパートナーだと感じたのです」と語る中野氏が、契約更新を申し出たことは言うまでもないだろう。

ADASのさらなる進化を目指してプロジェクトは次のステージへ、新たな舞台でエンジニアも成長を続ける

支援開始から約2年を経た現在、現世代向けの開発プロジェクトはほぼ完成し、実際の商品に搭載され始めている。とはいえ、これがゴールではない。この間にも車載カメラなどハードウェアの性能は向上し、AIなどデータ解析技術も進化を続けている。これらを駆使した次世代ADASの開発プロジェクトが動き出しており、丁らも引き続き参加している。

彼らに何を期待しているか、改めて中野氏に尋ねたところ、次のような答えが得られた。「私個人の考えですが、ADASのような大規模かつ複雑なプロジェクトでは、個人の力だけでなく、チームとしての総合力が問われます。エンジニアに問われるのは、技術力や分析力だけでなく、コミュニケーション力。正確・迅速な情報伝達はもちろん、相手の言葉の行間を読む、自身の発想や考えを周囲に理解させるなど、仲間と力を合わせて価値を生み出していくスキルを重視しています。容易ではないかもしれませんが、テクノプロ・デザイン社のエンジニアならできると期待しています」。

中野氏の言葉は、テクノプロ・デザイン社が描く理想のエンジニア像とも一致する。こうしたお客様の声に、そして社会の要請に応えるために、丁をはじめとしたエンジニアたちは、これからも絶えず研鑽を続けていく。

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