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事例

WORK

マニュファクチュアリング・その他製造 DX

品質向上と環境配慮、両立に導くための技術とは

三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社 様

はじめに

SDGsの声も高まる今、企業には品質・生産性向上と環境への配慮、両方の視点が必要となっています。 今回はAI技術を用いて両方の課題に対応した事例を紹介します。

プロジェクト概要

<発電能力の向上と、環境面での排出物抑制の両立>

2015年のパリ協定を受けて、2030年度の温室効果ガス排出量を26%削減するため、廃棄物分野においても一層の脱炭素・省CO2対策が喫緊の課題となっています。

SDGsの声も高まる中、この脱炭素・省CO2への対策としてごみ焼却施設の安定稼働による発電能力の向上と環境への排出物抑制の両立が各企業に求められています。

お客様の抱えていた課題

三菱重工環境・化学エンジニアリング(株)様においては、三菱重工グループにおいて、ごみ焼却施設や廃棄物処理施設など環境・化学システムの豊富な納入実績を持っている企業となります。
今回ご紹介する、ごみ焼却施設の遠隔監視・運用支援システムでは、客先ごとのニーズにあわせて、クラウド基盤や深層学習モデルの利用が可能となる、柔軟なサブシステム構成となっているのが特徴です。

競合他社含め業界としても AI の活用に積極的なため、経営陣まで含め、AI技術を用いたシステムの高度化に非常に前向きに取り組まれており、その際に深層学習エンジニアなど含め、システム開発を行っていく上での人員が更に必要という経緯で、テクノプロと共に当初より開発を進めていくことになりました。
このため、データ収集から深層学習モデルのデプロイまで含め一気通貫で開発に携わりました。

課題解決のエピソード

今回のプロジェクトの中で特に課題となったのが、運転員へのガイダンスを出すための深層学習モデルの指標や評価方法です。操作ガイダンスを学習させるために深層強化学習という手法を用いました。
これは過去の操作履歴からセンサデータから取得した蒸気量やCO、NOx濃度などがどのように変化したのかを学習させ最適化を行うのですが、数あるセンサデータが複雑に絡み合う中で最適な状態を示す指標(報酬)を決めるのが困難でした。
これを解決するために三菱重工環境・化学エンジニアリング様のノウハウを基にシステム内で行っている運転スコアリングを活用しました。

その結果、ガイダンスに沿った運転をすることでスコアが向上するような結果を得ることができました。

用いられた技術

外部の研究機関とも連携して、画像処理を用いたイベント検知や機械学習による時系列予測、強化学習を使ったガイダンスなど、複数の技術をシステム内で有機的に連携させています。
これをリアルタイムで実機システムに反映させて、安定稼働を実現しています。
またイベント検知や予測の精度向上にもつながり属人的な運転を取り除くことにも効果を出しています。

プロジェクトの未来への影響

クラウドサービスの普及に伴い、大量のデータを蓄積して深層学習に活用する動きが活発化しています。
インフラ設備や製造設備には多くのセンサが用いられています。これらのセンサデータを解析してAI技術に適用することで高度な故障検知などの保全業務への活用ができると考えられています。

これまでは人の目で確認したり手で操作したりしていたことが、今後自動化させることで人口減少社会における人員不足の解消もにつながると期待をしています。

エンジニアとしての目線でも話をすると、機械学習や深層学習の領域はPoC(概念実証)の段階からシステムに組み込んだ実用段階へと移ってきています。
今後求められるのは機械学習モデルの構築ができるエンジニアではなく、ネットワークやクラウド、データ基盤の構築からシステムに適用して運用までできるエンジニアだと感じています。

これからについて

今回紹介したプロジェクトでも実感しましたが、AI技術をシステムに適用するまでには課題や苦労したことが多々ありました。そうした経緯もありAIの利用をより簡単にするための技術であるAI拡張型設計に関心が高まっています。
今後はAI技術でシステム設計や開発そのものが容易になっていくだろうと考えています。
そのため最新の研究動向にアンテナを張り、日々の勉強を大切にして最前線にいたいと思っています。

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