2020.07.20
《連載》テクノヒントオーディオ倶楽部~エンジニアが語るマニアックな音響世界~第一回「音」故知新 LP時代からの音響遍歴を語ってみた
#オーディオ #ラズパイ #JAZZ #エンジニア #趣味 #ワークライフバランス
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2020.07.20
#オーディオ #ラズパイ #JAZZ #エンジニア #趣味 #ワークライフバランス
技術力を趣味に生かして人生を楽しんでるエンジニアがいます。
テクノヒント オーディオ倶楽部~エンジニアが語るマニアックな音響世界~では、技術分野を活かしていかにして「音」を極めていくかを連載でご紹介します。
今回そのイントロ。技術を持つ2人のエンジニアが趣味で音響技術の昔懐かしい話から、現在に至る遍歴までこっそり会議室での話を聞いてみました。
半導体開発技術者としてAV用半導体を開発。2000年代に7年間中国赴任。
現在は採用、教育研修などの業務を担当。
趣味はオーディオ、語学、マラソン(現在は休んでます)
昔からもの作りが好きで発電プラント設計会社へ就職したが、自分でも作りたくなりプラント設計施工会社へ転職。
その後、ロボットに興味を持って精密機器メーカーへ転職、さらに光学機器メーカーへ転職して三次元座標測定機や半導体検査装置を開発。2012年に面識があったテクノプロへ入社。
趣味はゴルフやオーディオにカメラ、それに飛行機やヘリ等のラジコン模型と鉄道模型等。現在はドローンを狙っている。
河村 ー
小学校のころから「太陽にほえろ」などテレビのエアチェックをしていたんです。
で、もっといい音で聞きたいなと思って。
中学の時、近所の電気屋さんのイベントに参加して、なんと17万円のステレオを当てたんですよ。ただ、すごく大きくてね。
秋元 ー その時はコンポーネントのステレオがはやっていましたもんね。
河村 ー
オーディオが当たったんで、JAZZもクラシックも聞かなきゃ、ということで当時2000円ぐらいするコルトレーンやカラヤンのベートーベンのレコードを買ったりして。
で、80年代 大学のときCDという規格が出てきたんです。
プレーヤーが20万以上した時代に生協で壊れたCDプレーヤが5万で売ってたんです。それを買いました。
ところが、正直、音が良かったかどうかは微妙でした。アナログの方が良かったかな、と。
その後、結婚してからJAZZを聞くのにJBLの38センチウーファー+ホーンツィーターのプロ用スピーカーを中古で購入。これはもとはエレキベース用ステージスピーカーだったんですけど、こんなの家に置いてる人がいるのかと(笑)
90年代ごろかな、同僚の小さいスピーカーがものすごいいい音を出しててね。
JBLってドバーッとした音だったんだけど、それはふわっとした部屋中に音が広がって、定位も(演奏者が)分解して聞こえる、ボーカルは真ん中にいて、ドラムは後ろにいて、、みたいな。
押しつけがましくない音ですごくいいなと思いました。
秋元 ー すごく優秀なミニコンポーネントですね
河村 ー
小さいというだけで、実は高級品。CELESTION SL700という40万ぐらいするものだったんだけど、そういうスピーカで聞くと、音がカラフルでボトムエンドも伸びてポップスもいいなって思えました。
これは私にとっては大きな変革でして、「いつまでも50年代の音でアートブレーキーばっかり聞いてたらだめなんだな」と。聞く音楽が変わりました。
その後、マンションに引っ越しして100万クラスのセパレートアンプを買ったんですけど、好みと違った音で・・・
秋元 ー 視聴はしなかったんですか?
河村 ー しましたよ
秋元 ー 家とでは環境が違うからね。その後はどうしたんですか?
河村 ー 2007年に中国に赴任したんですが、100万のオーディオも売却して、BOSEのM3というスピーカーだけ持っていきました。
その後8年ぐらいして日本に戻ってきまして、単身赴任だったんですけど、アパートに住んだんです。
でも、家にある3000枚のCDを持っていくわけにはいかず、週末は朝から晩までリッピング。
でも音はCDよりも悪くて・・・。
それも仕方ないななんて思っていたら、ハイレゾファイルっていうCDよりもいい音があるっていうんで、DAコンバーターも買うなどオーディオ環境を変えてみたら、ものすごく音が良くなった。
CDプレーヤーを追い越して「血の出るような音」になって。
秋元 ー 私も昔のレコードのリッピングをやってみようかな?!
河村 ー
いろんなことやりましたよ。新しいDAコンバーターにしたり音のいいソフトを新しいのに変えたりしたら本当にすごいいい音がでるようになって。
これはもう時代が違うとしか言いようがない。
で、このとき思ったのが、じつは今まで聞いていた音っていい音じゃなかったんだ、なんて思うようになって。
それから「こんなにいい音がでるんだったら」ってやる気になりました。
もちろんハイレゾはさらにいい音なんです。
さらにこれがRaspberry piを使ったら2,3万円程度でいい音になることが分かり、仕事から帰ったらそればっかりやってました(笑)Raspberry piを使用したハイレゾ環境も構築しました。
そして現在は中国製のオーディオの性能が良くなっていて特にDACがよくなっているのを実感。 また、サブスクリプションの音楽配信サービスのTidal(タイダル)っていうのも聞き始めたんです。
タイダル?初めて聞きました・・・。
河村 ー 日本では提供してないんだよ。香港経由で聞いてるんだけど、これが音がものすごくいい。
他にもサブスクリプションの音楽配信があるけど、音質はこっちの方が抜群にいい。
これまでは、装置を変えてもあまり(音が)変わらんなという残念なことも多かったけど、ここ5,6年は技術が上がったのか音楽環境が激変しましたね。
秋元 ー
2015年以降発展してますね。
私もオーディオを始めたころは原音再生なんていわれていたけど、部屋も再生装置も違うし、出せないんだよね。
だから原音をというよりはいい音を楽しみたいなと。
僕は河村さんと違って昔で止まってますね。
ハイレゾには興味があるんだけど、結局は原音は出せないから手が出せないでいるんですよ。でも河村さんのお話聞いてDACもいいじゃないかって思い始めてます。
河村 ー 今年、4万で中国製DACを買いました。半導体のデバイスそのものが進化していて、その部品の良さを生かした生産開発をしていて、しかも日本と違って開発のスピードがものすごく速い。 日本は工程の4割はパワポ書いてるでしょ(笑)そこが違う。
秋元 ー 中国は「まずやってみよう」という考え方
河村 ー そう、2か月に1個は新製品が出てる。もう真似する相手もいない、という状況ですね。
~~河村さんはデジタルで音極めようとしたんですね。
秋元さんの遍歴はどうなんですか?
秋元 ー
わたしはオーディオが好きというより、モノづくりが好きでね。
小学校の時、徳之島って鹿児島のだいぶ南にある島に住んでいたのですが船を作って川を下って海に出る、そんな遊びをしていました。
電気や機械をつかってモノを動かすのが好きだったんです。レーシングカーゲームとかそういうのが徳之島にはないから、ベニヤ板でコース作ったり。走らせるにも12ボルトの直流電源が必要だからトランスやセレン整流器とか買って12v 120WのDC電源を作ったり、、、。
そのころ使っていたSANWA(三和電気計器)のテスターは今でも持っています。
そんななんでも手作りしていた小学校時代でしたが、音楽が好きだったんですけどオーディオなんてなかったんですよ。そしたら兄が8トラック(カートリッジ式の磁気テープ再生装置および媒体)を送ってきて、ボブディランとかサイモン&ガーファンクルを聞いて「いいなー」なんて思って楽しんでいました。
高校に入って、電気が好きだったので、親戚のナショナルの販売店でバイトしていました。TVや洗濯機の修理等で構造を覚え、益々電気や機械が好きに。オーディオでは一体型ステレオの機能と音に魅せられバイトで稼いだ10万円を注ぎ込んでナショナルのコンソールステレオを買いました。 サイモン&ガーファンクルとかフォークソングを聞いていたんだけど、 特に園まりは大ファンでね、、レコードが出たらすぐに買いに行ってました。
大学に入ったら専らFMステレオラジオ。「WorldBoy」で音楽番組を聞いてました。 またHiFiを求め、「無線と実験」という雑誌に掲載されていた3極管真空管アンプを参考に、秋葉原でガラクタ部品を集めてアンプを製作。 それに自宅から持って来た古いスピーカーを繋いで楽しんでいました。出力は2W程度で、HiFiには程遠いけど満足してました。
社会人になって1975年ごろから、いいステレオが欲しいなと思って。
当時は自分好みでコンポーネントを組み合わせるのが流行っていました。
その流れで、オーディオのショールームがあちこちにあって、あのスピーカーとこのアンプを組み合わせて、、みたいに視聴ができたんですよ。半年ぐらい秋葉原でそういう視聴ができるところに通ってTechnicsのSU-3500だったかな?それにソニーが初めて出した縦型デッキを合わせて買いました。
スピーカーはDIATONE(三菱電機)のDS-36BRに決めたんですけど、CORALのバックロードフォーンっていうのもあって、ふつうは密閉型になっているんですが、下がオープンになっていてとても迫力があるスピーカーなんですよ。
(DIATONEの)繊細さとどっちが良いかななんて悩んでいたんですが、最終的にはDIATONEにしました。
全部で(当時勤めていた会社の)給料の4か月分はしました。
当時はSONYの「カセットデンスケ」でエアチェックするっていうのが流行っていて、外で電車の音や(許されたところでの)野外コンサートを生録をする人が多かった。
「これはいいな、カセットではなく10インチのオープンリールデッキを使って録音してやろう」なんて思って買いました。
河村 ー テープ面積が広いと音が良いんですよ。カセットだとテープスピードが4.75mmで、幅も倍なので音が全然違う。
秋元 ー
そう、でも重くてね。とても持ち歩けなかったですよ(笑)で、エアチェックしてみたんだけど「たいして音良くないじゃん!」って。
カセットだとドルビーっていうノイズ低減装置があるんだけど、オープンリールにはなかった。結局いまでも家のオブジェになってますよ。
ただ、その後結婚して子供もできると音楽どころじゃなくなってね、音楽を聴くというより映画を見るということが増えてきました。
で折角映画を見るならホームシアターでと思い、DENONサラウンドアンプと多数のスピーカー、スーパーウーファーをつないで7.1CHを構成。「スターウォーズ」を見ると本当にすごい迫力でした。
ある日、期待して繋いでいたプレイヤーからCDを聞いてみたんですけど、昔買ったアンプより高いのに音良くないぞと。どうも納得いかなくてね。
そんな時、友達のところで久しぶりにレコードを聞いたんですよ。そしたらレコードの良さを再認識させられて。
その時、Audio用に使っていたスピーカーが25歳ぐらいの時に買ったDIATONEのスピーカーだったんですけど、甘ったるくってもう満足できないんだよね。そこで新しいスピーカーを買おうと思って久しぶりに秋葉原に行ったんです。
そしたらいい音の出るスピーカーって1本100万ぐらいするんですよね。
「買えないよな、、、」なんて考えてたら当時の部下にスピーカーを自作する者がいて
「だったら作ってしまえば?中のユニットは市販でありますよ」と言われて。
飯田橋に音響パーツが売っている「イーディオ」というお店で情報収集を始めるようになりました。
そこはスピーカーユニットの輸入販売もしていて、スピーカーも自分で選ぶことができました。
さらにスピーカー自作にあたりBoxや、高音、低音を分離する「アッテネータ」というものの設計資料があるんだよ、なんて教えてもらいながら各種設計ノウハウを入手しました。
そこで、自分の木工レベルでどこまで作れるかなと思い、まず糸鋸等の電動工具を揃えて小さいスピーカを作ってみました。直角に切って直角に合わせる、これが結構難しい。そこで切るだけはホームセンターでお願いするようにしました。
そして、友達のところで聞いたすごい迫力の30cmウーファの低域パワーが欲しくてそれを作ろうと思いました。でも、それを搭載するとなると40㎝の板が必要、、そうすると大きくて市販の気に入った板がないんですよね。で、止めようと。
そこで流行っていたトールボーイタイプで作れないかと。30cmウーファ相当の振動面積を確保し、ウーファは低音用と重低音用の22cmウーファ2発積むことにして3way4スピーカーで構成しました。
スコーカーは試聴の時、人間の声が明瞭に出ていたユニットを選択。
ツィーターはダイヤモンド製振動板(30万円)の音が最高。しかし、予算オーバーのため、同一シリーズのセラミック製振動板(3万円)で我慢しました。
将来のマルチアンプ化を想定し、ツィーターとスコーカー、ウーファ―を別端子で構成したんだ。
お金がないから自作しようと思ったのに、作るからには綺麗にしたくて、人口漆を23回塗り、ピアノのように顔が写るぐらい光沢に仕上げて。Box内に骨組みを設けて組付け、外からネジや釘は見えません。
Box自体は1か月の制作期間だったんですが塗装には5か月かかりました。
Boxには重低音用、低音用、中音用、高音用、それぞれのスピーカーに仕切りを設けて、音が干渉しないようにしました。共振しないのは鉛を張ればいいんだな、とか、やってるうちに色々分かってきました。
実際聞いてみて分かったことは、今までのステレオだと(音が)横に広がるんだけど、前後左右にも広がるようになったんです。
DVDを後ろにもスピーカーを配置して5.1chで見ていると、拳銃の音が頭の後ろで響く、みたいな。
すごく定位がしっかりしていて、気に入っています。
聞く場所によっても違うので、「ここがいいかな・・・?」なんて思いながら部屋をうろうろしてます(笑)
あと、いい音にするには不要な振動を防ぐことなんですが、(スピーカーの)下の方にはインシュレーターを敷設したり、天井は不正反射しないよう厚い絨毯を貼り付けたり。
まぁ私の場合は音楽も楽しんでいるんですけどモノを作ることを楽しんでるんだけどね
いいスピーカーを得たら昔の音楽も聴きたいなと。海外出張するたびにJAZZのLPやCDを買って、気が付くと家にレコードが2000枚ぐらい、CDが800枚ぐらいがあるんですよ。
今よく聞くのはJAZZが多いんですけど、ボーカルでは吉田拓郎と中島みゆきを聞くと元気が出るんですよね!
オーディオをパソコンともつないで聞いているんですが、河村さんと違いパソコンでの音作りに努力をしてないから音が悪いんです。
CDとレコード同じ音源があるから聞き比べるんだけど、「レコードの方が良いな」って思うんですよ。
なのでリッピングしたパソコンからの音ってちょっと抵抗がありますね。
河村 ー どのあたりに差を感じます?
秋元 ー やっぱり音の広がりですかね。レコードのノイズが臨場感を感じれていいな。CDは確かにクリアなんですけどね。聞き比べた感覚ではレコードがいいなと思います。
河村 ー 秋元さんには是非、DACを変えてほしいな CDの方もね、外付けのマルチプレイヤーだからもしかしたらできないかもしれないけど・・・。
秋元 ー いや、トランスポートDACを切り離せるから先ほどの面白そうなDACと組み合わせてみようかなと
河村 ー
今のDACってCDプレイヤーともつながるし、USBでパソコンでもつながる。
パソコンの方はソフトが重要でiTunesで聞いてる場合はあまりいい音ではない。音のいいソフトって別にあって、有料のもあるけどプレイヤー買うのに比べたら大したことはないです。
設定もCDにつなぐだけなんで簡単だし。
アナログが良い、というのも僕もわからなくはない。
秋元 ー 5,6年前にハイレゾが出てきて、CDのダイナミックレンジ24ビットと比べたら音が良いのに決まってるじゃんって思って、店員さんに「ではレコードと比べてどうなの?」って、そしたら答えられないんだよね。
河村 ー (レコードを)聞いたことないからね
秋元 ー これはどこ行っても答えてくれなくて、本読んでも同じ。未だに判らない。
河村 ー
正直言ってマスターに近いのはCDなんだけどね。
デジタルって一番でかい音ほどひずみが少なくて、レコードは大きい。逆に小さい音程レコードは良い。
個人的な感覚なんだけどクラシックとかでff(フォルティッシモ)で音がひずむのって生っぽいんだよね。楽器だってそうなんだし。
CDってレベルが低い方がひずみが多いから、機械的な音のような感じがするんだ。あとレコードはカートリッジを変えて自分好みのいじれるからね。
秋元 ー 自分で音作りができるのが魅力ですね。
河村 ー
CDが好きっていうより、実は(好きなのは)アナログかパソコン、なんだよね。
アナログは本当はやりたいんだけど場所取るから・・・。
レコードっていろんなことができるんだよね。
パソコンってソフトウェアだからCDの中身が公開されているようなも。
バッファメモリどうしようかなとかいじるところいっぱいあるんだよね。CDはいじれるところがない。
パソコンって音良くないって言うけど・・・それがいいんじゃない!趣味なんだから。(笑)
パソコンでいじってるっと3回に1回ぐらいはソフトのバージョンが変わったとか、設定を戻してなかったとかで音でないことも。
秋元 ー
私も試したいことが、ハイレゾとレコード、どっちが音いいんだろうってのと、パソコンって高周波だからノイズだらけの中で信号流したら良くないだろうって思うけど、ただオーディオには専用のボードがあるんですよ。
昔それをつけたことがあるんですよ。河村さんの話聞いたから私もDACを・・・。
河村 ー DACとソフト。まずはCDプレイヤーに繋いでですね。
〜ハイレゾとレコード、やっぱり音が違うんですか?
秋元 ー そもそも今の人はレコードを知らないからね。私の仲間はレコードが良いって言ってるけども。
河村 ー ハイレゾ聞いた後CD聞くと、(CDの方は)音像がペラってしている。ハイレゾのほうが立体的で音場が広い感じがする。 セッティングが難しい。 私は神経質だから、「なんか音が違うな」って思ったら、カバンがおく場所がいつもと違って。
〜カバン、ですか
河村 ー 結構、僕は壁の反射があるほうが好きなんだけど、ライブな感じがして。ところが、ガラスは特に音を反射して音場が変わることがある。
秋元 ー だからスピーカーは左右同じ環境にしなきゃいけないんだよね。
河村 ー 環境を整えないと、綺麗な音にならないなって。 チェック用の音源があるんですが、「なんか今日は音が違うな」って思い始めたら、何十本も違った音源を朝から晩までチェックして、納得したら初めて音楽を聴き始める、みたいな。(笑)
〜なかなかの変態ですね
秋元 ー
変な奴多いですよ。
私も高音低音どこまで聞こえるんだと測ったら、実際には13kHzまでしか聞こえないんですよ。
13kHzまでしか聞こえないのに、2万Hz以上の音が出るように頑張ってるってのは何だろうって。
ただし、家に7000Hz、12000Hzのチェック用のレコードやCDがあって、聞こえないはずなのにかけてみると、やっぱり違うんですよね。
体で感じてると言うか、特に低音は空気の揺らぎを感じて「ミシッ」って感じる。実際スピーカー触ってみると震えてるんですよね。
〜チェック用の音源ってのがあるんですね?
河村 ー
例えば、床から太鼓を叩きながら上に持ち上げて行くでしょ。
そうすると音が下から上に移動している感じもわかったりする。
騙されてるだけかもしれないけど。
しかし、経験的に上下で周波数特性が違うしね。いろんな情報でわからなくはない。
秋元 ー 以前持っていたスピーカーだとスピーカーとスピーカーの間から音が聞こえる。今のスピーカーだと2mぐらい奥から音が聞こえて、奥行きを感じる。
〜ミニシアターみたいに後ろにスピーカーがあるんですか?
秋元 ー
いや、あればあたり前なんだけど。
初めは思わず振り返っちゃった。いいスピーカーならそういう音がするんじゃないかな。
河村 ー
僕はちょっと秋元さんとちょっと違っていて、安いスピーカーでもいい音が出ると思ってます。
低音は出ないけど、スピーカーをきちんとケアしてあげれば広々とした感じに聞こえると思う。
高いのは、パワーのある音が出せるけど、ふわっとした音は小さくて安いスピーカーでも出る。
ただ、JAZZを聞くには(小さいスピーカー)は適していない。コルトレーンが目の前にいるような迫力は安いとダメだね。
秋元 ー
今思い出したんだけど、ドボルザークの新世界でトライアングルを「チーン」って響かせるところがあるんだけど、ツイーターがこの金属音を実に素晴らしく響かせるんですよ。
音楽全体よりそんなところで感激してます!
河村 ー
ドラムスがサックスの後ろにいて、出張演奏聴いてるみたいな感覚がある。色々な要素があって奥行きを出してるし。
ビッグバンドだったら、そのハーモニーが、いいステレオだと綺麗だけど何の意味もない、ふわっとした音がでなかったり。
秋元 ー グレンミラーとかベニーグッドマン楽団が時々日本に来るんだけどコンサートの音は全然違う。
河村、秋元 ー 「やっぱり生はいいな」ってなりますね。