2021.04.01
AI機能搭載 飼育牛モニタリング機器・IoTシステム
本研究のソフトウェア設計の技術的考察(5)
マーケットイン型ユーザインタフェースの開発
#産学連携 #東京工業大学 #エッジデバイス #ビッグデータ #データサイエンス #IoT
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2021.04.01
#産学連携 #東京工業大学 #エッジデバイス #ビッグデータ #データサイエンス #IoT
技術的に優れたシステムを開発しても、ユーザである農家に使ってもらえないようでは意味がない。農家に受け入れてもらうことのできるシステムをユーザからの意見を基に作り上げることを目指しました。
第一弾として、牛の状態を24時間監視し、人が監視できない時間もシステムが牛を監視することにより、人の気づきを促すシステム開発を目指しています。
研究開始時にテーマが与えられ企画を始めることが共同研究の入り口とすれば、システムが完成し、ユーザに使ってもらいフィードバックを貰いながら継続改善される軌道に乗ることが出口と考えられます。
システムを試用してくれる農家とのコネクション作りをする事が一番大きな課題です。ユーザからのフィードバックはおろか、システムの試験すらできません。
市場調査力に長け、長期で定量的に分析できる人材の確保も必要でした、共同研究終了後もシステムを継続改善する必要があるからです。
伊藤研外部に協力してくれる第三者を求めました。研究活動プラットフォームである、東工大COIで伊藤研とチームを組んでいる他研究室の先生に協力頂きました。
動物福祉に関する消費者の意識調査をしている先生がいらっしゃいました。
牛飼育者と獣医師とのコネクションをお持ちの先生で、本システムの試験運用は互いにWINWINの関係となりました。
牛飼育者と獣医師は遠隔でコミュニケーションされていて、牛の健康状態や餌やりのタイミング指示などSNSでコミュニケーションされています。
デザイン社研究員は牛飼育者と獣医師のもとに出張し、システムのセットアップを実施しました。その時の関係者との調整、折衝は貴重な経験となっています。
開発中のインタフェースは次の通り。
発情日や人工授精日などをカレンダー上で入力すると、規定日程後にSNSアプリでユーザ通知されます。農家にとって牛の発情や出産は財産である牛を管理する上で重要なイベントで、きめ細かに管理するニーズが高いです。
農家が紙や経験で管理していた業務がシステム化されることを狙っています。
牛に装着したデバイスが加速度をAI処理、休息/反芻/食草/移動に4分類した後、クラウドに転送しています。加速度生データを直接クラウドに送るよりデータ圧縮され、省帯域、省電力です。
クラウドは24時間牛の行動を監視し、異常を検知した時にSNSへ通知します。
Twitter連携(図2)は観光農場での使用を想定、「気温が高いのでお水を飲んでください」や、「草がよく育っていて、お腹がいっぱい」など、牛からの情報発信を想定しています。
Line連携(図3)は遠隔の農家と牧場オーナーのコミュニケーションツールを想定している。放牧中の牛の情報をクラウドがコミュニケーションツール上に通知し、人が管理しきれない気づきを促すことを想定しています。
1987年神奈川生まれ。
データベース/業務ソフトエンジニアとして経験を積んだ後、テクノプロ・デザイン社に入社。
共同研究先の東京工業大学では、多変量解析を用いたAIの研究開発や、生体リアルタイムセンシングロガー製造などに従事。
ビッグデータを蓄積するクラウド開発をお手伝いし、協力会社やスタッフとの調整にも携わる。
趣味はボーリング。